国際フェアトレード基準
国際フェアトレード基準は、フェアトレードの活動の基盤となるものです。持続可能な農業、適切な労働条件、公正な取引関係とは何を意味するのか、また私たちが何を達成したいのか、といった内容を定めています。
国際フェアトレード基準は、フェアトレード・インターナショナルによって設定される、フェアトレード全般に関する基準です。基準は、フェアトレード認証の枠組みを示すもので、フェアトレードのサプライチェーンに関わる事業者が遵守しなければならない要件を詳細に規定しています。対象となる事業者には、農業協同組合、労働者を雇用するプランテーションや工場、国際フェアトレード認証製品の製造を行う企業などが含まれます。
国際フェアトレード基準は、社会的、経済的、環境的基準の３つの柱によって成り立っており、国際貿易における公正な競争条件の実現と、次世代のための公正なシステムの構築を目指しています。
"フェアトレードの組合には幸せがあります。フェアトレードに参加する前は十分な収入を得ることができませんでした。以前の取引では、バイヤーが来て、カカオを買って、それっきり二度と会うことがありませんでした。今では、私が病気になったときには協同組合が世話をしてくれるので安心です。"
Issouf Traore, コートジボワールのカカオ生産者組合ECOOKIM-ECOJADに所属する農家
国際フェアトレード基準の設定について
国際フェアトレード基準は、農家と労働者、企業、外部の専門家が参加する透明性の高いプロセスを通じて設定されます。
基準の対象者について
国際フェアトレード基準は、フェアトレード認証原料を生産する生産者組織に、大規模農園や工場で働く労働者、職人や鉱山労働者、そして原料や製品を輸入・卸・製造する企業（トレーダー）など、それぞれの実情を鑑みて設定しています。
フェアトレード最低価格とプレミアムのデータベース
フェアトレード認証の農産物を販売する際、生産者は「フェアトレード最低価格」というセーフティネットに守られており、さらに「フェアトレード・プレミアム（奨励金）」を受け取ることで、プロジェクトに投資することができます。全ての産品の最低価格とプレミアムは、フェアトレード・インターナショナルのウェブサイトにて公開しています。
国際フェアトレード基準の目的について
国際フェアトレード基準は、持続可能な農業生産のための仕組みを提供し、労働者の権利を保護し、生産者と買い手がより対等に取引できることを目的としています。
国際フェアトレード基準の改訂と公表
フェアトレードは定期的に新しい基準や価格を設定したり、既存の基準や価格の見直しを実施しています。現在進行中のプロセスの概要と、新しい基準や価格、改定された基準や価格の発表は、フェアトレード・インターナショナルのウェブサイトにて公開しています。
監査メカニズム
基準は、コンプライアンスが確立されなければ意味を成しません。そのため、フェアトレードは厳格な認証制度を運用しています。基準への適合は、独立認証機関であるFLOCERTによる定期的な監査によって確認されます。監査では、農園、工場、事務所の実地監査に加え、文書や財務の審査、従業員への機密インタビューなどが行われます。FLOCERTはISO17065認定組織であり、監査手順はISEALの保証規定に沿っています。