データで分かるフェアトレードのインパクト
グローバル貿易が生み出す利益をより平等にシェアするために、フェアトレードがどう機能しているのか、主要なデータに迫ります
フェアトレードの取り組む分野
フェアトレードは、以下の主要分野において、農家と労働者に対して持続可能な変化を生み出すために取り組んでいます。
- サステナブルでレジリエントな暮らしと生計
- ディーセント・ワーク
- ジェンダー平等とソーシャルインクルージョン（社会的包摂）
- サステナブルな環境
- サステナブルでレジリエントかつフェアなサプライチェーン
グローバルマーケットにおいては不均衡な力関係が深く根付いています。これらの分野で意味のあるインパクトを達成するためには、システムの大幅な転換が必要です。フェアトレードが取り組もうとしている課題は、複雑で相互に絡み合っています。そのため、様々な指標を通じて進捗状況を念入りに追跡し、十分な情報を持ち、継続的に改善していくことできるアプローチがより重要となっています。
フェアトレード・プレミアムによるベネフィット
農家や労働者にとって、フェアトレードの条件下で販売できる量が増えれば増えるほど、経済的な利益も増えます。
2022年には、フェアトレード生産者組織は全体で2億2,000万ユーロを超えるのフェアトレード・プレミアムを得ました。フェアトレード・プレミアムは、品物の販売価格に上乗せして支払われ、農家や労働者が自ら選択したプロジェクトに投資することができる資金です。
信頼の高い国際フェアトレード認証
フェアトレードを支えているのは消費者です。買い物客が望まなければ、国際フェアトレード認証製品の流通は成立しません。フェアトレードは定期的に消費者調査を実施し、消費者の視点と購買力を活用する最善の方法を理解しています。最新の調査により、国際フェアトレード認証ラベルは世界的に最も認知され、信頼されているエシカル・ラベルであることが報告されています。詳しくは以下のページをご覧ください。
国際フェアトレード認証ラベル
主要分野における進展
- 持続可能な生計：2021年に実施した調査 によると、コートジボワールのフェアトレード認証カカオ生産者の平均所得は、4年前に比べて85％増加しました。
- 生活所得：生活所得参考価格がカカオ、コーヒー、ココナッツ、バニラなどの10産品に設定され 全ての企業が導入することができます。
- 生活賃金：コロンビア、ドミニカ共和国、ペルー、エクアドルの 4 カ国のバナナ労働者に対して、生活賃金 参考価格が設定されています。
- 気候レジリエンス：すでにフェアトレード生産者組織の38％（720組織）が気候適応計画を採用し、32％（610組織）が環境リスク軽減の実施を報告しています。
- 森林保全：すべてのフェアトレード認証カカオとコーヒーの生産者団体は、森林減少モニタリングサービスを使用し、森林保全の対応が求められています。
- ディーセント・ワークと人権：1,500以上の生産者組織から得られた監査結果によると、人間らしい暮らし、労働者の権利、子どもの権利、非差別、環境保護など、分析対象となった9つの人権・環境デュー・ディリジェンス(HREDD)分野のうちの8つにおいて、90～98％の割合で国際フェアトレード基準を満たしているか、上回っていることがわかっています。